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豆知識【あなたは、経営者?それとも運営者?】
こんばんは。今日はずいぶん前の執筆記事を転用します。
以前、コンサルタントとして、ある中小建設業をお手伝いしていた時のことを書きたいと思います。
皆さんは、建設業と言えばどのような印象をお持ちでしょうか?
「生産性が低い? 談合体質? 昼間からビールを飲んでいる? ・・・」などでしょうか?
確かに、低生産性であったり、談合であったり、昼間からビールを飲んだりと、全ての業者さんや従事者の人がそうだとは言いませんが、まだまだご指摘の体質が染み付いている方々がいらっしゃるのも事実です。
今から10年も前でしょうか?倉敷のとある、建設業の社長さんとのお話です。
社長「最近では公共事業が抑圧されて困っている。早く、戻してもらわないと困る。」
私 「社長、公共事業が減るのは社会環境の変化が引き金となった経営環境の変化に他なりません。公共事業は以前の水準には戻りませんよ。」
社長「先生、冗談を言わんで下さい。岡山県や倉敷市がわれわれを見捨てるわけがない。」
私 「・・・。」
このエピソードを読んで、どのように感じましたでしょうか?結論から言いますと、この社長は、「経営者」という立場にありながら、長年「運営者」しかやってこなかったのです。建設業の運営ですから、①月末の支払い、②明日の段取り、③明日の天気。この三点が主な関心ごとであり、明らかに「運営者」ですね。
経営というものは、将来の社会環境変化を見据え、経営環境に与える影響を予測し、自分たちが常に必要とされ続けるための処方を考え、陣頭指揮することだといわれています。このような経営者の役割に加えて、企業は①知識・ノウハウの蓄積を図る。②知識・ノウハウの蓄積媒体となる「人材」の育成を図る。③この人材の育成は将来ビジョンに沿って進める。などが大切です。人は「右から左」では育ちません。人を育ててこなかった「建設業」だから、今、しんどいのです。
これを自分自身に置き換えてみると、企業という媒体を通して、自分自身が常に社会から必要とされ続けること。そのための取組みが自分自身を経営することにならないでしょうか?
3年後、5年後のために、今やっておくこと。それを上司と共有できる環境を作りたいものです。